今回は新理事長に丸尾恭介が就任して初のアフィリエイト・カンファレンスとして、豊島区民センター(コア・いけぶくろ)文化ホールにおいて開催されました。
あいにくの雨模様でしたが、足元の悪い中、多くの方にご来場頂きました。
開会時間が近づくとほぼ満席となり、参加者の方々は事前にお配りした資料や、試供品を確認されたりと、会場は既に熱気に包まれ始めていました。
◇主催 : NPO法人アフィリエイトマーケティング協会
◇協賛
【ゴールドスポンサー】
インタセクト・コミュニケーションズ株式会社 様
株式会社フォーイット 様
株式会社パイル 様
【シルバースポンサー】
ソネット・メディア・ネットワークス株式会社 様
株式会社メディアフラッツ 様
株式会社Ryo-MA 様
【後援】
日本アフィリエイト・サービス協会(JASK) 様
◇開催日時 : 2015年3月7日(土) 13:45~16:20
◇開催場所 : 豊島区民センター(コア・いけぶくろ)文化ホール
司会は協会副理事長の猪鼻が務め、新理事長の丸尾の挨拶からスタートしました。
アフィリエイトの市場規模が2015年には1,600億円を超え、2016年には1,800億円を超えることを予想される中、重要性を増しているコンプライアンスをカンファレンスのテーマとしたことを語りました。
講師
アナグラム株式会社
代表取締役 阿部 圭司 様
PPCアフィリエイトで大事な3つのこと
今日、この3つだけは持って帰っていただきたいと思っています。
3つに加えて、もうひとつ。 デバイスの変化に気をつけましょう。 スマートフォンの比率が9割を超えている商材もざらにあります。女性用の商材など、もうデバイスのメインはPCではありません。
リスティング広告とは何か?
PPCアフィリはSEO主体のものとは訳が違います。PPCアフィリは手元資金で始める盛大な投資です。
ですから、しっかりと理解して始めることが大切です。
では、そもそもリスティング広告とは何か?
リスティング広告には、検索キーワードに合わせて直接的に働きかけることができる「検索連動型広告」と、コンテンツに合わせて間接的に働きかけることができる「コンテンツ向け広告」、大きく分けて2つの強力な武器があります。
これを混同して考えてはいけません。全く別のものとして接しましょう。
なぜリスティング広告はこんなにも使われているのか?
リスティング広告がこんなにも使われている理由は、簡単に言ってしまえば「成果が高いから」。
最初はPPCは「SEOには勝てない」と言われていましたが、非常に高い成果を出しています。
消費者行動モデルのひとつ「AISAS」。
Attention(注意・認知)→Interest(興味)→Search(検索)→Action(購買)→Share(共有)という行動の中で、Action(購買)にSearch(検索)は距離が近い。
距離が近いと効率が良いんです。
さらに、検索が日常化、加速化しています。 スマホで検索が身近になり、検索ボリュームが増えています。
音声検索で、長文でもかなり認識してくれる時代になりました。
リスティング広告のプロダクトは検索連動型広告だけでなく、いろいろなものがあり、数百あるとも言われています。
それぞれについてロジックなどを知り、どういう役割を与えるべきか、しっかり勉強することが実は大事です。
Beyond Search(検索の向こうへ)
検索連動型広告に置いて大事なことは検索の向こう側にあるもの、つまりユーザーであったり、コンテクストを読み解くことが大事です。
ニーズを拾うのではなく、ニーズを生み出すPPCを、たとえば「福島に行きたい人を増やす」マーケティングだとすれば、「福島に行きたい人を効率よく呼ぶ」のがこれまでのリスティング広告でしたが、「福島に行きたい」と思わせるのが、これからのリスティング広告です。
PPCアフィリエイトで成功している人はまちがいなく、この発想です。
元々福島に行きたいと思っていない人に、「行きたい」と思わせるのがPPCアフィリエイトなんですよ。
「福島に行きたい人を効率よく呼ぶ」のは広告主の仕事なので、PPCアフィリエイトで戦えるのは「行きたい」と思わせるほうです。
検索連動型広告大事な運用で事
検索連動型広告運用で大事な事は、「論理的思考」と「インスピレーション」と「コンテクストの理解」です。
「コンテクストの理解」が今日の話の一番の中心です。
どんな人が、どんな文脈で検索するのかを、検索連動型広告の中で考えていかなければいけない、それが成功のカギです。
SEOか検索連動型広告か?
SEOか、検索連動型広告かと悩まれる方は多いかと思いますが、どちらかではなく、両方をやるべきです。
リスティング広告は初月から成果を出しやすく、リスティング広告の考え方は短中期的考え方であり、スイング投資です。
SEO広告の考え方は長期投資です。
どちらがいいかではなく、それぞれに向き不向きがあります。
物事には必ず適切な役割が存在します 。
それでもリスティング広告に困ったら…「どんな人が? どんな文脈で?」と考えましょう。
そしてPPCアフィリエイトで何をすればいいか分からなくなった時には、常に自分自身にこう質問することです。
「誰に何を売っているのか?」と。
これがマーケティングの中心、軸です。
ゴールドスポンサー「インタセクト・コミュニケーションズ株式会社」様の3分スピーチをはさみ、第二部へ進みました。
協会 理事
渡部 祐司
アフィリエイトの経験とかける時間と収入の関係は?
アフィリエイトを始めて1年未満では「収入はない」が62.9%であるのに対して、1年~2年未満では「収入はない」が9.7%と激減します。
サイト運営にかける時間と月の収入金額の関係を見ると、時間をかけている人の方が収入が多いことがわかります。
利用しているASPは?
利用しているASPを見ると、1位は「A8.net」&「Moba8.net」、2位が「バリューコマース」、3位が「楽天アフィリエイト」と続きます。
一番満足しているASPに関しては、1位が「A8.net」&「Moba8.net」、2位が「Affiliate-B」、3位が「バリューコマース」です。
稼いでいるアフィリエイターは何をしているか?
今回、アフィリエイトを始めて2年以内で月20万円以上を稼いでいる層を「チーター層」と名づけ、稼いでいる彼らは何をしているか、見ていきました。
たとえば注力しているジャンルが、アフィリエイター全体では1番目が「物販(美容器具・健康食品・サプリ)」、2番目が「物販(その他)」、3番目が「物販(コスメ・化粧品)」であるのに対して、チーター層は1番目が「物販(コスメ・化粧品)」、2番目が「物販(美容器具・健康食品・サプリ)」、そして3番目に「エステサロン・脱毛」が入っています。
そして4番目に「金融・キャッシング」。
サイト運営にかける時間も、アフィリエイター全体では「1日30分未満」が25.1%で最も多く、「1日3時間以上」は23.1%に過ぎません。
ところが、チーター層では「1日3時間以上」が54.3%と最も多くを占めています。
アフィリエイター全体ではASPの専属担当(個人担当)が複数のASPでついているのは14.4%であるのに対して、チーター層では52.9%と圧倒的に多くいます。
ただしチーター層でも専属担当がついていない人が24.3%存在しました。
現在掲載中の特別報酬案件が1件以上あるのは、アフィリエイター全体の場合4割弱ですが、チーター層では8割近くです。
サイトへの集客で行っている手段も、一番多いのがSEOである点はアフィリエイター全体もチーター層も変わりありませんが、チーター層は4割近くがYahoo!スポンサードサーチを利用している点が目につきます。
ゴールドスポンサー「株式会社フォーイット」様と「株式会社パイル」様の3分スピーチをはさみ、第三部へ進みました。
広告主
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社
金融事業部 マーケティング企画室長 堀内 武志 様
広告主
GLS JAPAN 株式会社
イーマーケティングスペシャリスト 佐藤 正博 様
媒体/アフィリエイトサイト
株式会社昭和マーケティングシステムズ
代表取締役 尾崎 剣 様
媒体/アフィリエイトサイト
株式会社ブレイク・フィールド社
執行役員 営業企画部 部長 川原 佑介 様
≪モデレーター≫
協会 理事長 丸尾 恭介
「広告の自主規制や消費者保護等の認識は?」に対して、広告主側でも、カードローンを扱っている堀内様は「厳しい認識を持っています。
ギャンブルサイトなどへの広告掲載は禁止していますし、返済力のない人にPRするところには広告を出しません」とのことでしたが、ファッションサイトを持つ佐藤様は「公序良俗や違法か適法かは見ます。
しかし基本的には見ている人がほしいと思ってくれるサイトを優先しています」と、取扱商品のちがいによる、注意する点のちがいがありました。
媒体/アフィリエイトサイト側は、昔は無法地帯だったが、いまはクライアントごとにちがうルールをきちんと押さえていくことが大事だと考えているとの発言でした。
「 広告主とアフィリエイターとのコミュニケーションはとるべきか?」に対しては、広告主側から、媒体/アフィリエイトサイト側、共にコミュニケーションをとるべきという点で一致しました。
その他、アフィリエイトに関する試験制度など、コンプライアンスに関わるさまざまなテーマが話されました。
最後に協会 副理事長の柴田健一が、新体制での出発に触れた閉会の挨拶にて締めくくりました。
カンファレンス後の懇親会は、おかげさまで満員御礼となり、名刺交換や情報交換などをされている場面も多く見られ、交流の場として盛り上がりました。
年に一度のアフィリエイトカンファレンス。アフィリエイター、広告主、ASP、代理店など、様々な立場の方々が一堂に会し、アフィリエイトについて語り合った熱い一日となりました。